高性能住宅の選び方!長期優良・ZEH・省エネ基準を徹底解説

目次

住宅の性能は未来の暮らしと家計を左右する重要ポイント!

これから注文住宅を建てる方も、建売住宅を購入する方も、「住宅の性能」に関する知識は必須です。なぜなら、家の性能は、単に住み心地だけでなく、住宅ローン控除や各種補助金の対象、そして将来の光熱費や資産価値にまで大きく影響するからです。

特に注目すべきは、高性能な住宅であることを示す「長期優良住宅」「ZEH(ゼッチ)住宅」「省エネ住宅」の3つの基準です。それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあり、どれを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。

この記事ではこれら3つの住宅基準について、その定義、認定要件、そしてあなたの家づくりに役立つ具体的なメリット・デメリットを詳しく解説していきます。


なぜ今「高性能住宅」が求められるのか?国の政策と将来を見据えて

なぜ今、国を挙げて「高性能住宅」の普及が推進されているのでしょうか?その背景には、大きく2つの理由があります。

2050年カーボンニュートラル実現への貢献

日本は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、住宅分野での省エネルギー化はその達成に不可欠です。家庭からのCO2排出量を削減するため、断熱性の向上や高効率設備の導入が強く求められています。ZEH住宅がその象徴であり、2030年にはZEH水準の住宅が標準となる見込みです。

快適で経済的な暮らしの実現

高性能な住宅は、光熱費の削減に直結します。断熱性や気密性が高まることで、夏は涼しく冬は暖かく、一年を通して安定した室温で快適に過ごせるようになります。これは、昨今の電気代高騰の状況下で、家計を守る上で非常に重要な要素です。 また、高性能住宅は「住宅ローン控除の優遇」や「各種補助金の対象」となることが多く、初期費用の一部を国がサポートしてくれるため、経済的なメリットも享受できます。

2025年4月からは、すべての新築住宅に「省エネ基準適合」が義務化されています。つまり、もはや住宅の省エネ性能は「特別なもの」ではなく、「最低限必要なもの」へと変わっていきます。これからの時代に合わせた賢い家づくりをするためには、これらの高性能住宅基準を理解し、将来を見据えた選択をすることが不可欠なのです。


長期優良・ZEH・省エネ住宅の定義、メリット・デメリット

ここでは、「長期優良住宅」「ZEH住宅」「省エネ住宅」それぞれの具体的な定義、認定要件、そしてメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

1. 長期優良住宅とは?

定義と基準

2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅」として認定される住宅です。 主に以下の9つの項目で高い基準が求められます。

  1. 劣化対策(構造躯体等の劣化対策)
  2. 維持管理・更新の容易性(給排水管等の維持管理のしやすさ)
  3. 維持保全計画(定期的な点検・補修計画)
  4. 耐震性(耐震等級3が必須)
  5. 省エネルギー対策(断熱等級5、一次エネルギー消費量等級6が必須)
  6. 居住環境への配慮
  7. 住戸面積(一戸建ては75㎡以上)
  8. 可変性(共同住宅等のみ)
  9. バリアフリー性(共同住宅等のみ)

認定を受けるための要件

構造計算や設計図書などが基準に適合しているかの確認と申請を、着工前に行う必要があります。登録住宅性能評価機関による確認書が必要で、建築主または施工業者が所管行政庁に提出します。申請漏れがないよう、施工業者との密な連携が重要です。

メリット

  • 高い性能基準: 耐震等級3は建築基準法の1.5倍の耐震性を持ち、断熱等級5・一次エネルギー消費量等級6は高い省エネ性能を保証します。
  • 金銭的優遇: 住宅ローン控除の控除額が最大となり、住宅ローンの金利優遇(フラット35Sなど)、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の減税措置が受けられます。
  • 地震保険料の割引: 耐震性が高いため、地震保険料が割引になります。
  • 高い資産価値: 長く安心して住める住宅として認定されているため、将来売却する際も資産価値が残りやすく、買い手が見つかりやすい傾向にあります。フラット35の残債を次の購入者が引き継げる優遇もあります。

デメリット

  • 建築費用がやや高くなる傾向: 高い性能基準を満たすための建材や、構造計算、設計図書作成、申請手数料などの費用が追加で発生する可能性があります。ただし、近年は高性能建材を標準仕様とする住宅会社も増えているため、追加費用が少なく済む場合もあります。
  • 建築に時間がかかる: 申請手続きや書類審査に時間がかかるため、着工まで通常の住宅よりも期間を要することがあります。

2. ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?

定義と基準

「外皮の断熱性能等を大幅に向上させ、高効率な設備システムを導入することで大幅な省エネルギーを実現し、さらに再生可能エネルギー(主に太陽光発電システム)を導入することで、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅」です。簡単に言えば、「高い断熱・省エネ性能の家に、太陽光発電を付けてエネルギー消費量を±0にする家」です。

主な基準

  • 断熱等級5
  • 一次エネルギー消費量等級6
  • 太陽光発電システムの導入(創エネ)

認定を受けるための要件

上記基準を満たす住宅であることが必要です。地域特性に応じて、太陽光発電の設置が免除される、あるいは省エネ率が緩和される「Nearly ZEH」や「ZEH Oriented」といった派生基準もあります。

  • Nearly ZEH: 寒冷地や多雪地域などで日射が少ない場合に適用。太陽光発電の設置が免除され、エネルギー消費量の75%以上削減が基準。
  • ZEH Oriented: 都市部の狭小地など、太陽光パネルの設置が難しい場合に適用。太陽光発電は免除され、省エネ率20%以上削減が基準。

メリット

  • 光熱費の大幅削減: 再生可能エネルギーを活用し、エネルギー消費を抑えるため、光熱費がほぼゼロになる、または大幅に低減されます。
  • 快適な住環境: 高い断熱性能により、夏は涼しく冬は暖かい、安定した室温で快適に過ごせます。
  • 経済的メリット: 長期優良住宅と同様に、住宅ローン控除の優遇や各種補助金の対象となる場合があります。
  • 環境への貢献: CO2排出量の削減に貢献し、環境に優しいライフスタイルを実現できます。
  • 昼間在宅の方におすすめ: 太陽光発電した電気を昼間に自家消費できるため、テレワークや主婦・主夫の方、小さなお子様がいる家庭、ペットと暮らしていて空調をつけっぱなしにする家庭などに特にメリットが大きいです。蓄電池を併用すれば、夜間の電気代も抑えられます。

デメリット

  • 初期の建設コストが高くなる: 高性能な断熱材、高効率設備、太陽光発電システムなどの導入費用がかさむため、一般的な住宅に比べて初期費用が増加します。
  • 手続きの煩雑さ: 認定のための手続きが複雑で、専門知識が必要となるため、時間と労力がかかります。
  • 長期的な維持費用: 太陽光パネルは10~15年で売電収入と光熱費削減分で初期費用を回収できることが多いですが、パネル自体のメンテナンス費用(足場設置や屋根の補修など)も考慮する必要があります。

3. 省エネ住宅とは?

定義と基準

エネルギー効率に優れた設計と設備を持つ住宅で、2024年現在、住宅ローン控除の対象となる最低限の基準とされています。

主な基準

  • 断熱性能等級4以上
  • 一次エネルギー消費量等級4以上

認定を受けるための要件

「BELS(ベルス)認証」というラベルを発行することで、省エネ住宅であることを証明できます。このラベルには、エネルギー消費量等級、断熱等級、目安光熱費などが記載されます。認証取得には費用がかかるため、諸費用として予算に組み込んでおく必要があります。

メリット

  • ZEH住宅よりもコストを抑えられる: 太陽光発電システムの設置が必須ではないため、初期費用を抑えつつ一定の省エネ性能を確保できます。
  • 光熱費の節約: 既存住宅に比べて断熱性・省エネ性が高いため、一定の光熱費削減効果が期待できます。
  • 住宅ローン控除対象: 住宅ローン控除の対象となります(控除額は長期優良・ZEHより少ない)。

デメリット

  • 優遇措置が少ない: 住宅ローン控除や各種補助金の対象額が、長期優良住宅やZEH住宅に比べて少なくなります。
  • 将来的な資産価値の低下リスク: 2025年4月からは全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、2030年にはZEH水準が標準となる流れです。このため、現時点で最低基準の省エネ住宅を建てると、将来的に「より高性能な住宅」とは判断されにくく、住み替えなどで売却する際に資産価値が残りにくい、あるいは住宅ローン残債を回収できない可能性が出てくることも考えられます。
  • 「今建てるならもったいない」という見方も: 少し初期コストを積むことでZEH住宅や長期優良住宅を目指せることを考えると、長期的な視点では省エネ住宅を選ぶことが「もったいない」と感じられる可能性もあります。

長期優良住宅とZEH住宅、どちらを選ぶべき?

「長期優良住宅」と「ZEH住宅」は、どちらも高性能住宅ですが、重視するポイントが異なります。あなたのライフスタイルや価値観に合わせて選びましょう。

性能と基準の比較

  • 共通点: 「断熱等級5」「一次エネルギー消費量等級6」という高い省エネ性能基準は共通です。
  • 長期優良住宅の独自性: 「長持ちすること」を重視し、耐震性(耐震等級3)、劣化対策、維持管理のしやすさ、維持保全計画(定期点検)などに重点を置いています。
  • ZEH住宅の独自性: 「エネルギーの自給自足率」を重視し、太陽光発電などによる創エネを必須としています。

長期優良住宅が適している人

  • 長期的な耐久性や安全性を最優先する方: 地震への備えや、メンテナンス計画も含めて長く安心して住み続けたい方。
  • 太陽光パネルの導入に懸念がある方: 日当たりが悪い、屋根の形状が適さない、初期コストを抑えたいなどの理由で太陽光発電を導入したくない場合。
  • 住宅ローンで「フラット35」や「フラット50」を利用する方: これらの住宅ローンでは、長期優良住宅の認定が金利優遇の条件となっていることが多いため、非常に相性が良いです。
  • 昼間に家を空けることが多い共働き家庭: 蓄電池を設置しない場合、太陽光発電の恩恵は売電収入による光熱費の抑制にとどまります。それならば、純粋な省エネ性能と耐久性、税制優遇を重視した長期優良住宅の方がバランスが取れるかもしれません。

ZEH住宅が適している人

  • 光熱費の削減と環境への配慮を最優先する方: エネルギー消費を極力抑え、環境負荷の低い暮らしを目指したい方。
  • 昼間に在宅していることが多い方: テレワークやフリーランス、主婦・主夫の方、小さなお子様やペットがいて日中も空調をつけっぱなしにする家庭など、太陽光発電で発電した電気を自家消費できるメリットを最大限に享受したい方におすすめです。
  • 蓄電池の設置も検討している方: 太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電気を夜間に使用でき、電気代をほぼゼロにすることも可能です。
  • 国の補助金活用を積極的に検討したい方: ZEH住宅は各種補助金の対象となることが多いです。

将来を見据えた「高性能住宅」選びで、安心で快適な暮らしを

近年、住宅の省エネ性能や環境への配慮は、もはや「選択肢」ではなく「必須」の要素へと変化しています。2025年4月からの省エネ基準適合義務化、そして2030年を見据えたZEH水準の標準化という流れの中で、今のうちに長期優良住宅やZEH住宅といった高性能住宅を検討することは、将来にわたって多くのメリットをもたらします。

初期費用がやや高くなる可能性はありますが、住宅ローン控除や補助金、税制上の優遇措置を活用することで、経済的な負担を軽減できます。そして何より、高い省エネ性能は、長期的に見れば光熱費の大幅な削減に繋がり、家計にも優しい選択となるでしょう。

カシワ建設では、お客様一人ひとりのライフスタイルや価値観、そして将来設計を丁寧にヒアリングし、最新の法規制や補助金情報を踏まえて、最適な高性能住宅プランをご提案しています。群馬県太田市や栃木県足利市を中心に、お客様が安心して長く快適に住み続けられる家づくりを全力でサポートさせていただきます。

「うちは長期優良住宅とZEH、どっちが良いんだろう?」「補助金はどれくらいもらえるの?」など、どんな疑問でも構いません。ぜひお気軽にカシワ建設にご相談ください。私たちと一緒に、将来を見据えた賢い家づくりをスタートさせましょう。

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