2×6工法は火災保険料を最大半額に!「省令準耐火構造」が鍵
家の維持費の一つである火災保険料とそれに付帯する地震保険。万が一のための備えとはいえ、毎月・毎年かかる費用は家計の負担になりますよね。実は、この火災保険料を抑えるには、家を建てる時が最も重要なのです!
これから注文住宅を建てる方に向けて、ぜひ知っておいてほしいのが「2×6(ツーバイシックス)工法」です。この工法は、高い耐震性や断熱性だけでなく、優れた耐火性を誇り、多くの場合「省令準耐火構造」に認定されるため、火災保険料を大幅に節約できます。
2×6工法の仕組みや特徴、そして省令準耐火構造が火災保険料に与える影響について詳しく解説します。
なぜ2×6工法が火災保険料を安くできるのか?その仕組み
なぜ2×6工法で建てられた家は、火災保険料が安くなるのでしょうか?その理由は、火災保険の料金体系が建物の「構造級別」によって決まるからです。
火災保険は、建物の燃えやすさや火災時の損害の程度を評価し、保険料を算出します。建物の構造は大きく分けて以下の3つに分類されます。
- H構造(非耐火構造): 主に一般の木造住宅。燃えやすいとされ、保険料が最も高い。
- T構造(耐火構造): 省令準耐火構造などに適合する木造住宅や、耐火建築物。火災に強く、H構造より保険料が安い。
- M構造(コンクリート造など): 鉄筋コンクリート造のマンションなど。最も火災に強いとされ、保険料が最も安い。
従来の木造軸組工法(在来工法)で建てられた一般の木造住宅は、多くがH構造に分類されます。しかし、2×6工法は、その優れた耐火性能により「省令準耐火構造」に適合しやすいため、T構造として分類され、火災保険料が大幅に安くなるのです。
このように、2×6工法は単に「丈夫な家」を建てるだけでなく、長期的なランニングコストである火災保険料にも良い影響を与えるため、賢い家づくりの選択肢として注目されているのです。
2×6工法の「特徴・仕組み」と「省令準耐火構造」
2×6工法の基本的な特徴と、火災保険料の節約に直結する「省令準耐火構造」について詳しく見ていきましょう。
2×6工法とは?その特徴と仕組み
2×6工法は、木造住宅の建築方法の一つで、「ツーバイフォー工法」の一種です。正式名称は「枠組壁工法」や「モノコック工法」とも呼ばれ、規格寸法の木材(2×6材)を使用して建てられます。
ツーバイ工法の基本概要
- 壁・床・天井の6面体すべてが一体となった「箱」のような構造(面構造)で家全体を支えます。柱だけで支える従来の在来工法(木造軸組工法)とは異なり、強度を保ちやすいのが特徴です。
- この面構造により、高い耐震性を実現します。地震の際に力が一点に集中せず、家全体に効率的に分散されるため、安全性が高いです。
- また、火の広がりを抑えるための設計がされており、高い耐火性も備えます。これにより、多くの場合「省令準耐火構造」に該当し、火災保険料が安くなるメリットがあります。
- さらに、壁の内部に断熱材を隙間なく充填できるため、高い断熱性と気密性も実現。エネルギー効率の良い「低燃費住宅」として、光熱費削減にも貢献します。
2×4工法との違い
- 2×6工法と2×4工法の最大の違いは、使用される木材の寸法です。
- 2×4工法:木材の断面が約38mm×89mm
- 2×6工法:木材の断面が約38mm×140mm
- この違いにより、2×6工法はより厚みのある壁構造が実現します。
- 強度向上: 2×4材より約1.5倍の鉛直強度、約2.5倍の曲げ強度を持つため、耐震性がさらに向上します。
- 断熱性向上: 壁が厚くなる分、断熱材を約90mmから140mmとより多く充填できるため、断熱性能が大幅に向上します。
- 耐火性向上: 壁が厚く、ファイヤーストップ材を配置することで、火の広がりをさらに抑えることができます。
- ただし、材料コストや施工費は2×4工法よりも高くなる傾向があります。
火災保険料における建物構造の重要性
火災保険料は建物の構造によって大きく変わります。
構造級別: 火災保険では、建物の燃えやすさや火災時の損害リスクに応じて、主に以下の3つの構造級別に分類し、保険料を決定します。
- H構造(一般木造):最も燃えやすく、保険料が高い。
- T構造(耐火木造):H構造より燃えにくく、保険料が安い。
- M構造(鉄筋コンクリート造):最も燃えにくく、保険料が安い。
省令準耐火構造とは?
- 省令準耐火構造とは、建築基準法で定められた耐火性能に関する一定の基準を満たした建物構造のことです。
- 具体的には、火災時に隣家からの延焼を防ぎ、建物内部で発生した火災が一定時間以上(通常30分~45分)広がるのを遅らせることができる設計が施されています。
- 外壁や屋根が燃えにくい材料で覆われ、壁や天井の内部には火の回り道を防ぐための工夫(ファイヤーストップ材の配置など)がされています。
- 省令準耐火構造に認定されると、火災保険料がH構造の住宅と比べて大幅に安くなる大きなメリットがあります。
2×6工法で省令準耐火構造に対応する理由
- 2×6工法は、その壁の厚みと、枠組壁工法の特性(隙間が少なく火の広がりを抑える)により、省令準耐火構造の基準をクリアしやすい工法です。
- 燃え上がらずに炭化する木材の特性を生かし、ファイヤーストップ材を適切に配置することで、火災時に内部の人が逃げ出す時間を確保します。
- 外壁や天井に耐火材料が用いられることも多く、省令準耐火構造と認定されることが容易なため、結果的に火災保険料の節約に繋がります。
2×6工法で火災保険料を「どのくらい安くできる」のか?
2×6工法が火災保険料に与える具体的な影響と、節約できる目安について見ていきましょう。
1. 耐火性が保険料に与える影響
- 2×6工法を含むツーバイフォー住宅の高い耐火性は、保険会社におけるリスク評価を低くします。これにより、一般木造住宅が分類されるH構造よりも有利なT構造に分類され、保険料が安くなる傾向にあります。
- 火災保険だけでなく、地震保険料にもプラスに働く場合があります。ただし、地震保険料を抑えるには、耐震等級3などの性能評価の取得が必要となります。
2. 具体的な保険料の割引率
- 省令準耐火構造に該当する2×6工法の住宅は、火災保険料が最大で約半額程度に抑えられることがあります。
- 具体的な割引率は保険会社や住宅の所在地、保険の契約内容によって異なりますが、一般木造住宅(H構造)と比較した場合、20%から40%以上安くなるケースも珍しくありません。
- 例えば、年間5万円の火災保険料が半額になれば、年間2.5万円の節約。35年契約では87.5万円ものコスト削減効果が期待できます。
- 2×6工法は、2×4工法よりもさらに壁が厚く耐火性が高いため、保険料削減においてより優位性があると言えるでしょう。
3. 一般木造建築との比較
- 一般的な木造建築(在来工法など、H構造に分類されることが多い)と比較すると、2×6工法は設計段階から高い耐火性を持つため、追加費用なしで保険料メリットを享受できる点が大きな特徴です。
- H構造の住宅を省令準耐火構造に準じた仕様にするには、別途改修コストが発生する場合があることを考えると、初期設計で2×6工法を選ぶメリットは大きいでしょう。
2×6工法で「安全・快適」に「維持費もお得」な家を実現!
家の維持費の一つである火災保険料は、家を建てる際の工法選択によって大きく節約できる可能性があります。2×6工法は、その厚い壁がもたらす高い耐震性、断熱性、そして特に優れた耐火性によって、「省令準耐火構造」に認定されやすいため、火災保険料を大幅に抑えることができます。
火災保険料の節約だけでなく、2×6工法は、地震や火災から大切な家族を守る高い安全性、一年中快適な温度で過ごせる高い居住性、そして光熱費削減という経済性も兼ね備えた、非常にメリットの多い工法です。
特に、災害リスクが懸念される地域で家を建てる方にとっては、耐火性と耐震性を両立する2×6工法は、日常生活における安心感を提供してくれる最適な選択肢と言えるでしょう。
カシワ建設では、2×6工法を採用した高品質な注文住宅を提供しており、お客様の家計に優しい家づくりをサポートしています。火災保険料の節約はもちろん、耐震性や断熱性など、住宅性能全般についてご興味がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、安心・快適で維持費もお得な理想のマイホームを創り上げましょう。



