太陽光カーポートでZEH水準をクリア!賢い導入で補助金も

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屋根に太陽光が載せられなくてもOK!太陽光カーポートでZEH住宅に!

近年、新築・リフォーム問わず太陽光パネルの搭載が一般的になってきました。特に、省エネ性能や断熱性能に優れ、太陽光発電を備えた住宅はZEH(ゼッチ)住宅として、様々な補助金や税制優遇の対象となり、今後の住宅の標準になっていくとも言われています。

しかし、「屋根の形が悪くて太陽光パネルがあまり載せられない」「屋根の向きが良くなく発電効率が悪い」といった理由で、ZEH化を諦めている方もいるかもしれません。そんな方におすすめしたいのが、「太陽光カーポート(ソーラーカーポート)」です。

この記事では、太陽光カーポートがどのようなものか、設置するメリット・デメリット、そして気になる「ZEH水準をクリアできるのか」という疑問にお答えします。


なぜ今、太陽光カーポートが注目されるのか?発電と駐車スペースの融合

なぜ、屋根だけでなく「太陽光カーポート(ソーラーカーポート)」という選択肢が注目されているのでしょうか?その背景には、エネルギーの自給自足を目指すZEH化の流れと、住宅の多様なニーズがあります。

  • ZEH普及の加速: 国は2030年までにZEH水準の住宅を標準化する目標を掲げており、補助金や税制優遇でZEH化を後押ししています。しかし、全ての住宅の屋根が太陽光パネル設置に適しているわけではありません。
  • 土地の有効活用ニーズ: 都市部や狭小地では、屋根の面積が限られていたり、隣家との距離で日当たりが悪かったりする場合があります。また、すでに住んでいる家で太陽光発電を導入したいが、屋根の工事は避けたいというニーズもあります。
  • 「創エネ」の多様化: 太陽光発電は住宅の省エネ化に不可欠な「創エネ」設備です。屋根に次ぐ設置場所として、カーポートが注目されるのは自然な流れと言えるでしょう。駐車スペースという、これまで「車を停めるだけ」だった場所が、発電という新たな価値を生み出す空間へと進化します。

このように、太陽光カーポートは、屋根の制約にとらわれずにZEH水準を目指せる新たなソリューションとして、注目度が高まっているのです。


太陽光カーポートの基本、メリット・デメリット

太陽光カーポートを導入する前に、その基本的な特徴と、メリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。

太陽光カーポートとは?

太陽光カーポート(ソーラーカーポート)とは、カーポートの屋根に太陽光パネルを搭載したものです。大きく分けて「一体型」と「分離型」があります。

一体型

太陽光パネル自体がカーポートの屋根材になっているタイプ。

  • 特徴: デザインの統一感があり、パネルが効率よく配置できるよう設計されています。
  • 例: 1台用で3~4kW程度の発電量が見込めます。サイズ展開に限りがある場合があります。

分離型

ガルバリウム鋼板やスチール折板など、耐久性に優れた屋根材のカーポートに、別途太陽光パネルを搭載するタイプ。

  • 特徴: カーポート自体のサイズ選択肢が豊富で、車のサイズに合わせて選べます。後からパネルを追加することも可能。
  • 例: YKK APの「ジーポートPRO PV」などが代表的です。大型車2台を所有している場合など、一体型では柱の間隔が狭いと感じる場合に適しています。

オーダーメイド型

金属や木材で十分な強度を持つカーポートを建築し、そこに太陽光パネルを設置するケースもあります。

太陽光カーポートを設置するメリット

駐車スペースの有効活用

  • 車を停める場所が、電気を生み出す場所へと変わります。1台用で3kW前後、大型の3台用では10kWほどの発電量が見込めます。
  • カーポートの屋根が車を雨や紫外線、鳥の糞などから守ってくれるため、一石二鳥のメリットがあります。

屋根の発電量不足を補える

  • 「屋根の形状が複雑でパネルを載せにくい」「屋根の向きが南向きではない」「すでに築年数が経っていて屋根工事は避けたい」といった場合でも、太陽光発電を導入できます。
  • 屋根に少しだけパネルを載せ、不足分をカーポートで補う「ハイブリッド設置」も可能です。もちろん、屋根には一切載せず、カーポートのみに設置することもできます。

メンテナンスがしやすい

  • 2階建て住宅の屋根に設置する場合、パネルの点検や交換、修理の際に毎回足場の設置が必要となり、その費用が高額になることがあります。
  • 太陽光カーポートの高さは2.3m~3m程度が一般的なため、足場が不要な場合や、必要でも家を囲むより費用を抑えられるケースが多いです。脚立での作業が可能な場合もあり、点検や交換コストを削減できます。

太陽光カーポートを設置するデメリット

設置費用が比較的高い

  • カーポート本体の費用に加えて、太陽光パネルの費用、設置工事費、電気工事費がかかるため、一般的な屋根設置型太陽光発電システムと比較して初期費用が高くなる傾向があります。

設置場所の制約

  • 十分な日当たりが確保できる駐車スペースが必要です。周辺の建物や樹木によって日陰になる場合は、発電効率が低下します。
  • 土地の形状や広さ、建築基準法上の建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)の制限によっては、設置できない場合があります。特に、建物で建ぺい率がギリギリの場合、カーポートの設置自体が難しいこともあります。

基礎工事の必要性

  • カーポートを安定させるための基礎工事が必要となります。既存の駐車場に設置する場合、土間コンクリートの一部をはつったり、支柱を埋めるための穴を掘ったりする工事が発生します。
  • 積雪地域では、積雪荷重に耐える強度設計が必要となり、その分コストが増加する可能性があります。

太陽光カーポートでZEH水準をクリアする方法と注意点

太陽光カーポートを導入する上で、特に気になるのが「ZEH水準の認定」とそれによる補助金や金利優遇です。

太陽光カーポートでZEH水準を証明したい場合

  • BELS評価の申請: 自宅敷地内に設置した太陽光カーポートの太陽光パネルで発電する場合、その状態でBELS(ベルス)評価を受けることでZEH水準の認定を目指せます。ZEH住宅の定義は、屋根に太陽光パネルを搭載することに限定されていません。
  • 創エネ設備の評価: BELS評価では、太陽光カーポートで発電した電力も創エネ設備として評価対象となります。住宅の断熱・省エネ性能がZEH水準をクリアしていれば、太陽光カーポートの発電量と合わせてZEH認定がもらえる可能性があります。

新築時にZEH補助金や住宅ローン金利優遇を受けたい場合

  • 計画段階での情報共有: 新築時に太陽光カーポートを施工し、ZEH認定を受けたい場合は、設計段階でハウスメーカーや工務店に「太陽光パネルはカーポートに設置したい」「太陽光カーポートでZEH認定を取得したい」という意思を明確に伝えておくことが不可欠です。
  • 手続きの順序: 建物の新築時に太陽光カーポートも設置し、太陽光発電システムを自宅の電気系統に接続した状態でBELS評価を受け、その後に竣工検査やフラット35等の適合検査を受けるという順序で手続きを進めることが重要です。
  • 対応可否の確認: 太陽光カーポートでのZEH認定は、屋根設置型ほど一般的ではありません。そのため、太陽光カーポートを得意とする提携業者がない住宅会社や、屋根への太陽光パネル設置がパッケージ化されているハウスメーカーでは、対応してもらえないケースもあります。事前にしっかり確認しておきましょう。

リフォームで太陽光カーポートを設置する場合の補助金

  • 現状、太陽光カーポート単独での設置に対する国の補助金はあまり多くありません
  • ただし、蓄電池の設置や電気自動車(EV)用の急速充電器の設置を同時に行う場合など、他の省エネ設備導入と組み合わせることで補助金を受けられるケースがあります。地方自治体独自の補助金制度もあるため、お住まいの地域の情報を事前に確認することをおすすめします。

太陽光カーポートの設置費用と工事

費用相場:

  • 太陽光カーポート本体(パネル込み):2台用で200万円前後、3台用で280万円前後、4台用で350万円前後が目安です。
  • 別途工事費:カーポート設置工事、パネル設置工事、太陽光発電と自宅の電気系統を接続する電気工事などで、50万円~100万円ほどかかります。

工事内容:

  • カーポートの設置工事: 駐車場の土間コンクリートをはつったり、支柱を埋めるための穴を掘ったりする作業が含まれます。設置場所の現地の状況を事前に業者に確認してもらいましょう。
  • 電気工事: 発電した電力を自宅に送り、余剰電力を売電できるように接続する工事が必要です。

建築確認の必要性: 太陽光カーポートは「特殊建築物」に該当する場合があり、工事を行うには建築確認申請を行い、許可を得てから着工する必要があります。また、土地の面積に対する建築物の割合を示す建ぺい率にも影響を与えるため、事前に確認が必要です。建物で建ぺい率がギリギリの場合、太陽光カーポートの設置が難しいこともあります。


太陽光カーポートは、これからのZEH住宅の新たな選択肢!

太陽光カーポートは、「屋根に太陽光パネルが載せられない」「屋根の向きが悪い」といった制約がある場合でも、太陽光発電を導入し、ZEH水準をクリアするための画期的な設備です。駐車スペースの有効活用、屋根の発電量不足の補完、メンテナンスのしやすさなど、多くのメリットがあります。

BELS評価を受けることでZEH認定も可能であり、新築時の補助金や住宅ローンの金利優遇に繋がる可能性も秘めています。

ただし、設置には初期費用がかかること、建築確認が必要になること、住宅会社によっては対応が異なることなど、いくつかの注意点もあります。

太陽光カーポートの導入を検討される際は、設置を依頼する業者や、住宅の建築会社と綿密に打ち合わせを行い、ご自身のライフスタイルや予算に合わせた最適なプランを選びましょう。カシワ建設では、お客様の家づくりをトータルでサポートし、太陽光カーポートを含めたZEH住宅の実現についてもご相談を承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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