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家づくりコラム

後悔しないためのZEH注文住宅のコツ5選!
2025/02/24家づくりコラム

これから日本の住宅の基準となっていZEH住宅。省エネ性能、創エネ性能を高め、エネルギーの自給自足を目指す住宅です。建築費の高騰と住宅建材の高性能化とが相まってZEH住宅を建てるには相応の予算が必要となります。高性能な分予算をオーバーしやすいZEH住宅の建築を成功させるにはどうするべきなのか、解説していきます。
後悔しないためのZEH注文住宅のコツ5選!

ZEH住宅とは?


ZEH(ゼッチ)住宅は、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロになる住宅のことを指します。具体的には、高断熱性能や省エネ設備を導入し、さらに再生可能エネルギー(主に太陽光発電)を利用して、家全体のエネルギー消費量を最小限に抑えることを目指しています。このようなZEH住宅は、環境に優しく、長期的に見ると光熱費の削減効果も期待できるため、非常に注目されています。

ZEH住宅が注目される理由にはいくつかの要素があります。まず、環境への配慮です。ZEH住宅は再生可能エネルギーを活用し、エネルギー消費量を大幅に削減できるため、地球温暖化対策として非常に有効です。また、高断熱性能や省エネ設備の導入により、快適性や健康性が向上することも大きな魅力です。

今後の新築住宅は、およそ2030年をめどにZEH水準が標準となるよう改正が進められています。2024年現在は政府や自治体からの補助金や優遇制度もあり、経済的なメリットも大きいです。住宅ローン減税については、2025年入居から省エネ性能を備えていないと対象外となることも決まっています。これから注文住宅を建てるという方は、ZEH住宅を目指して仕様決めをしていくとよいでしょう。

ZEH注文住宅のメリットとデメリット


ZEH住宅はメリットが目立ちますが、デメリットもあります。主にデザイン面や費用面に対するデメリットがあるため、家づくりのイメージを固めていくときにしっかりと特徴を把握しておきましょう。

ZEH住宅のメリット


ZEH住宅には多くのメリットがあります。

・光熱費の削減効果が高い
・高断熱性能で寒い冬でも温かく、暑い夏でも涼しい快適な住環境を実現
・省エネ設備の導入により、エネルギー消費を大幅に抑えることができる
・国や自治体からZEH住宅建築の補助金がある
・住宅ローン減税の対象となる

主には上記のような、断熱性能や省エネ性能による光熱費の節約効果、家の中の温度差が少なくなることによる健康性の向上です。ヒートショックなどの健康リスクを減少させる効果も見込めます。また、国や自治体からの補助金のほか住宅ローン控除や固定資産税の減税、住宅ローンの金利優遇などが受けられる場合もあり、長い目で見たときの経済的なメリットも得られやすいです。

ZEH住宅のデメリット


ZEH住宅にはデメリットも存在します。
・太陽光パネル設置のため屋根の形が制限される
・太陽光パネルと屋根材のメンテナンス費用が掛かる
・売電収入単価が下がっている
・太陽光パネルが重いため耐震強化に費用が掛かる
・断熱性能を上げるための費用が掛かる

主には「導入費用が高い」「メンテナンスが大変」の二言に凝縮されます。太陽光パネルの搭載量を抑えれば、デザイン面はある程度自由に決められます。しかし、屋根の向きや特殊な形状によってほとんど太陽光パネルが載せられないとなった場合、カーポートにも搭載するといった工夫をしないと、発電量と使用量のバランスが取れません。
また、以前は売電収入を得て光熱費負担を抑えることが主流でしたが、現在は自分の家で作った電気を自分の家で使うという自給自足がメインとなっています。蓄電池システムを合わせて導入することで、購入する電気を減らそうという方向に変わってきています。
断熱性能を確保するための断熱材、窓サッシ、玄関ドアなど高性能な建材を入れるほど建築費用は上がっていきます。ZEH住宅とそうでない住宅の性能アップのための費用差は約200万円とも言われており、建築費用の高さもネックとなるポイントだといえるでしょう。

ZEH注文住宅を成功させるためのコツ5選


経済性・環境性・住む人の健康性など様々な面で恩恵を受けられるZEH住宅ですが、注文住宅の建築を成功させるにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか?ZEH住宅づくりを成功させるコツを5つご紹介します。

1.ハウスメーカー・工務店選びが重要


ZEH注文住宅を成功させるためには、適切なハウスメーカー・工務店を選ぶことが非常に重要です。まず、国交省が管轄する「子育てエコホーム支援事業」の支援事業者となっている住宅会社であるかを確認しましょう。これにより、長期優良住宅100万円・ZEH住宅80万円の補助金を受けられるかどうかが変わります。

それ以外にもZEH住宅に55万円、さらなる条件に該当するZEH+住宅に100万円の補助金が出る戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業など、利用できる補助金についてしっかり説明してくれる住宅会社であることも大切です。

そのほかに、ZEH住宅の施工例数が多いこと、太陽光パネルや屋根、エコキュートなど15年前後でメンテナンスが必要な機器へのアフタサポート体制が整っているかもしっかりと確認しておきましょう。

2.ZEH住宅の施工事例を確認


ハウスメーカー・工務店を選ぶ際には、過去の施工事例を確認することも重要です。住宅会社によって得意とするデザインジャンルや間取りの特長などが異なります。

また、標準仕様にしている設備の断熱性能も業者によって異なります。断熱性能や省エネ性能を上げるための設備がすべてオプションになってしまうと、予想以上に建築費が上がってしまいます。どこまでが標準仕様なのかを確認するとともに、施工事例から自分たちの暮らしをイメージしやすいデザインや間取りを得意としているかをしっかり判断していきましょう。

3.太陽光パネルのお得な導入方法を持っているか聞く


ZEH住宅を作るうえで欠かせない太陽光パネル。住宅会社との提携でお得に導入できるサービスなどが利用できるか確認しておきましょう。例えば、LIXILと提携していて「建て得」が利用できる場合は、15年間の売電収入は得られませんが太陽光パネルの設置費用は実質0円~49.5万円、蓄電池システムを入れても165~220万円で導入ができます。また、パナソニックのテクノストラクチャーに加盟している工務店であれば、Panasonicの太陽光システムを定価よりも手の届きやすい費用で導入できるでしょう。

建材メーカー等との連携サービスで太陽光をお得に導入できる方法があれば、積極的に利用することがおすすめです。

4.断熱性をどこまで求めるか決める


断熱等級は現在7までありますが、ZEH住宅に必要とされる断熱等級は5です。HEAT20のG1、G2、G3という等級も併せて使用されています。共通した数値基準は主にUA値で表しており、数値が小さいほど断熱性能に優れています。

玄関ドアは分厚くなり、窓サッシは樹脂製のトリプルガラスになり、窓の設置は最小限になり・・・といったように断熱性能と気密性をどんどん極めていくことは可能ですが、建材が高額になってしまうでしょう。たくさんお金をかけて断熱性・気密性の高いものを取り入れたからと言って、光熱費等で性能アップ費用のもとをすぐにとれるかというと、そんなこともありません。断熱等級5~6までは5~8年ほどで回収可能なのに対し、断熱等級7相当では20年ほどかかる試算もあります。あまり性能は追い求めすぎず、予算とのバランスを考えて判断しましょう。

5.予算をオーバーした時にどこを妥協するか決めておく


ZEH住宅を建てるには、高性能な玄関ドア・窓サッシ・断熱材に加え、太陽光発電などに予算を割かれます。しかし、使い勝手とデザイン性を両立したキッチンや、掃除がしやすくリラックスできる機能が搭載されたバスルームなどの水回りの設備費用や、こだわりの床材・壁紙など、家には無限にお金をかけられてしまうのが現実です。
ZEH住宅を建てる際は、ZEH住宅に必要な性能を落とすわけにはいかないでしょう。ですから、予算を超えてしまったらどこを妥協するのかをよく考えておきましょう。

・設備をなるべく標準仕様のものにする
・収納などの扉をなくす
・バルコニー・ベランダをなくす
・家を小さくする
・外構工事を最低限にする
・棚やカウンターの造作を減らし、家具で代用する
など、さまざまな節約術を使ってバランスをとっていくことが大切です。

まとめ


これから日本の住宅の標準となっていくことが考えられるZEH住宅。建築費用はやや高くなりますが、住み始めてからの光熱費が削減され、家の中での温度差が少ない環境で暮らせるため、健康にも環境にも優しい家といえます。
さまざまな種類の補助金も用意されており、今は比較的ZEH住宅が建てやすい環境とも言えます。ZEH住宅づくりを施工させるには、より多くの施工実績を持ち、補助金や建材の性能への知識が豊富な住宅会社を選ぶことが大切です。また、ご自身の資金計画やライフプランに合わせ、予算をしっかりと管理したうえで素敵なZEH住宅を創りましょう。

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