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家づくりコラム

注文住宅のための土地選び、知っておきたいポイント
2025/01/20家づくりコラム

注文住宅を建てる際の入り口でもある土地探し。土地がなければ家が建てられないので、どんなに難航してもやりきらなければならない、家づくりの最初の壁です。そんな土地探しの流れや選び方、注意しておきたいチェックポイントについて解説します。
注文住宅のための土地選び、知っておきたいポイント

土地選びは今後の暮らしを左右する



最初にこのようなことを言われると「うっ」となってしまうかもしれませんが、これが事実です。しかし、土地選びは理想通りに行くことはほぼありません。生活の利便性、職場までの距離、子供の学区、広さと価格など様々な希望と条件を組み合わせ、今市場に出回っている土地の中から妥協しながら最善を尽くして選ぶのが土地探しです。

土地選びの役割



注文住宅の新築において、土地選びは非常に重要な役割を果たします。土地の選定によって、建物の配置や設計が大きく影響を受けるためです。特に土地の広さ、形状、位置関係などは、建ぺい率や容積率とも関連し、どのような家を建てられるかを決定します。

将来の生活への影響



土地選びは、将来の生活に直接影響を与える重要な要素です。商業施設や学校、公園の有無、交通の便などの周辺環境は日常生活の快適さや利便性に大きく関わります。また、地域の治安や将来の発展計画も重要です。これらを考慮せずに土地を選ぶと、後から予期せぬ問題に直面する可能性があります。

土地探しの基本的な流れ



土地探しは家づくりを成功させるための重要なステップです。ますは、土地探しの基本的な流れと、その際に気をつけるべき注意点について解説します。初めての土地探しであっても、コツを押さえて進めることでスムーズに進行するでしょう。

①エリアを決める



まずはエリア決めです。太田市や足利市、伊勢崎市などの「市」はもちろんですが、より詳細にエリアを区切って希望度順に優先順位をつけましょう。そのほうが、自分で探す時も住宅会社などに手伝ってもらう場合でもスムーズに進みます。エリアを絞るための指標は以下を参考にしてください。

・通勤通学がしやすい場所
・子供の学区内
・商業施設までの距離・時間

では、カシワ建設のある太田市で土地を探している方として例を出してみましょう。
「夫の職場が邑楽郡大泉町、妻の職場が太田市石原町の商業施設、子供を通わせたい小学校は九合小学校」という条件であれば、九合小学校の学区内である「飯塚町の一部、飯田町の一部、南新井町、内ケ島町の一部、小舞木町の一部」の中から土地を探すことになります。この範囲であれば親の通勤はさほど苦ではないですが、時間帯によっては道が混みあいやすいです。市街化区域で分譲地も多くある地域なので、予算と希望の広さ次第では、そこまで土地探しが難しくないエリアだといえます。

エリア選びは、将来の生活環境や子育て、通勤・通学の利便性などに大きな影響を与えます。注文住宅を建てるとなると、その土地に長く住むことになりますので、慎重に選びましょう。

②予算を設定する



次は予算を決めましょう。注文住宅を建てるための総予算を考え、その中から土地購入に充てることができる金額を明確にするのがおすすめです。土地の価格はエリアや広さによって大きく異なりますので、現実的な予算設定が不可欠です。

また、土地の購入費用だけでなく、土地の整地費用や法的手続きにかかる費用も土地の予算に含めておきましょう。手続き関係の費用は土地価格の10%前後、家を建てるために必要な整地・ライフライン引き込みなどの付帯工事費用は総予算のうちの10~20%ほどです。

群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・大泉町周辺や栃木県足利市で家を建てる場合、土地価格は700~1200万円は見ておきたいところです。総予算が3500万円であれば、土地の予算を整備費や諸費用を含めて1000万円にしておくと、建物には2200万円前後かけられるイメージです。

③希望する土地の条件をリストアップ



予算が決まったら、次は希望する土地の条件をリストアップします。主な項目は以下の通りです。
・土地の広さ・形
・道路がある方角・日当たり・玄関の向き
・近くにあるお店の充実度
・学校や職場までの距離・時間と交通手段
・周辺の道の広さ(自家用車が無理なく通れるか)
・ハザードマップ等の安全面
・治安や防犯面
・自治会の活動やご近所づきあいの程度と費用
これらすべての希望をクリアする100点の土地は、実際ほぼありません。いくつかは妥協をしていくことになるのですが、リストアップして可視化することで優先順位が見えやすくなります。また、業者を含めて土地探しをする際に条件を共有しやすくなるなどのメリットがあるのでぜひ紙に書き出してみてください。

上記の要素のほかに
・建蔽率・容積率
・都市計画と用途地域
も考慮しておくとよいでしょう。建蔽率や容積率は希望の広さの家が建てられるかどうかに影響します。

都市計画と用途地域はかなり重要度が高いです。都市計画で市街化調整区域に指定されている場合は「土地を購入して新たに住宅を建てられる人」が「市内に10年以上住んでいる人」などの制限付きになっています。用途地域が「工業専用地域」に設定されている土地は「住宅を建てられない」土地です。これらを把握しておくことで、土地探しのやり直しを防ぐことにつながります。

土地探しの具体的方法



家を建てたい土地の条件がおおよそ決まったら、次は土地探しです。土地探しの方法は主に「インターネットを使って自分で探す」「ハウスメーカー・工務店に相談する」「不動産会社に相談する」「自分で街を歩いてみる」などがあります。

①インターネットを使って自分で探す



すぐに実行できるのが、「インターネットを使って自分で探す」です。土地・住宅情報サイトの「SUUMO」や「at home」、「ライフルホームズ」などが掲載件数も多く、スマホアプリもあるので探しやすいでしょう。

前のステップで書き出した希望のエリアや広さ、条件に合いそうな土地をどんどんお気に入りに追加していきましょう。その中でも、「ここいいなぁ!」と思った土地は、掲載している業者に問い合わせてみてください。

②不動産会社に相談する



不動産会社に行って土地探しを依頼するのもよし、インターネットで興味を持った土地について問い合わせるもよしです。実際にプロから土地の状態や条件を聞くことができるので家づくりをする際の注意点を把握することにも役立ちます。また、インターネットに掲載されていない土地の情報を持っている場合もあるので、一度は足を運んでみるべきでしょう。

③ハウスメーカー・工務店に相談する



①と②をやる前に注文住宅の相談にいった方は、そのまま土地探しをハウスメーカーや工務店に手伝ってもらうことができます。自分で見つけて不動産に行ったものの契約まではしていないという方は、その土地のことも含めて相談しましょう。価格交渉なども一緒に対応してくれる場合があります。
①と②を経て土地を見つけられた方は、その土地に合わせて見積もりやプランを作成してもらい次のステップに進みましょう。

カシワ建設では土地探し中の方の建築相談も承っています。一緒に土地探しや条件交渉を行いますので、安心してお任せください。

④自分で街中を歩く



普段車ではあまり通らないような住宅地や、メイン通りから1本入ったような場所など、お散歩がてら歩いてみると「売地」が見つかることがあります。インターネットで見つけた土地があれば、その近くを回ってみるのもよいでしょう。

看板が立っている売地のすべてがインターネットに載っているわけではありません。もし気になる土地を見つけたら、看板等に記載されている連絡先に問い合わせてみましょう。

候補になりそうな土地は必ず見に行こう!



最後に、自分で現地を見に行くことは欠かせません。インターネットや不動産会社からの情報だけでなく、実際に足を運んで土地の形状や周辺環境を確認することが重要です。地形と地盤の状態、日当たりや風通し、周辺施設の有無など、自分たちの生活に合った土地かどうかを確認するために必ず現地を確認しに行きましょう。

土地選びのチェックポイント



土地を購入したらどんな場所でも好きな家が建てられるというわけではありません。実際は様々な制限があります。そこで、土地選びをする際に注意したいチェックポイントを4つご紹介します。

地形と地盤の確認



土地の形は、家をどのくらいの大きさにするのか・車を何台停められるのか・お庭は作れるのかといった点に大きく影響します。

例えば、道路から見て横幅の細い長方形の土地であれば、土地の奥に庭を作り、細長い家を建て、一番手前に車を停めるといったイメージができるかと思います。一方、大きな三角形の土地だと、家や庭が四角いと有効に活用できない部分が出てしまう場合があります。また、旗竿地の場合は駐車場兼通路の幅が狭いと通路を確保するために車をすごく左に寄せて停めなければならず、助手席側に乗り込みにくいといった不便な点が生じる可能性もあります。その分、三角形のような不整形地や旗竿地は面積に対して価格が安い傾向にあります。

また、地盤の強度や地震に対する耐性も気にしなくてはなりません。地盤状況が心配な場合は専門家による地盤調査を早い段階で考えておきましょう。地盤改良工事が必要となると、工事費用が高額になる可能性があるため、第二希望以降の土地へのシフトも視野に入れる必要が出てくることも考えられます。

周辺環境の確認



周辺環境の確認は、今後快適に生活していくうえで欠かせません。近くにコンビニがあるかといった利便性だけでなく、治安や騒音レベルなどの要素をしっかりと確認しておくべきです。できれば曜日や時間帯を変えて、その土地と周辺がどのような状況なのかを確認できるとよいでしょう。

例えば、道が狭いのに通勤の抜け道としてよく使われていて、想像以上に車通りが多いことがわかったり、夜間にやんちゃな車やバイクが通る音が聞こえてきたり、歩道のある広い道に面した家で、通勤時間帯に学生の往来が多すぎてなかなか家から車が出られなかったりといった不便さを、住み始めてから知るのでは後悔してしまいますよね。事前にある程度予測できていれば、その土地を避けたり、家の建て方を工夫したりといった対策ができます。

近くに商業施設が多い場合は通勤通学時間帯の治安や夜間の騒音。閑静な住宅街であれば車通りの程度やご近所さんの雰囲気。準工業地域であれば、近隣の工場からの騒音の程度や出退勤の時間帯は何時ごろかなど、事前に知っておけばよかったと感じるものはたくさんあります。感じ方も人それぞれなので、「自分たちにとって嫌じゃないか」を軸に、複数回足を運んで確認してみましょう。

法的規制の確認



土地を購入する前に、その土地に適用される法的規制もチェックしておきましょう。細かい内容に関しては不動産会社や住宅会社が理解して説明してくれますが、少し知っているだけでも、「この土地は自分たちには合っていない」という判断をする基準にできます。

例えば、「市街化調整区域」「新開発基準対象者」といった記載があった場合、「新開発基準に該当する人のみ家を建てることができる」ということになります。新開発基準は市区町村によって異なりますが、その市に通算10~15年以上住民票を置いていたことなどが条件となります。
ほかには、建物密集地で「防火地域・準防火地域」に指定されていた場合、外壁や屋根などに防火基準をクリアした建材を使用しなければならないなどの制限が課せられます。また、土地に接する道路の幅が4m以下の場合は道路の中央から2mのところまで下がらなければならない「セットバック」など、家を建てる土地には様々な法的規制があります。

土地探しの段階でしっかりと把握しておくようにしましょう。

建蔽率・容積率



注文住宅を建てる際は建蔽率や容積率の確認もしておきましょう。土地が狭くて住宅が密集している地域では特に重要となりますが、土地が広い地域はそこまで極端に家づくりに影響することはありません。
建蔽率は土地と建物を上から見て、土地の面積に対して建物が占めることができる割合を示します。太田市周辺では60~70%になっている地域が多いですね。平屋を建てたい方・ガレージを作りたい方は、土地に対して建物の面積が増えやすいので気を付けましょう。
容積率とは、建物の延べ床面積の敷地面積に対する割合のことです。太田市近辺の住宅用地では200%になっていることが多いです。容積率200%であれば、100㎡の土地に200㎡以内の家を建てられるということです。マンションやビルが建っている土地は800%や1000%など大きな値に設定されています。
これらの制約は自治体によって定められており、土地の用途地域によって異なることが多いです。希望する広さの住宅を建てる可能性を確保するために、建蔽率や容積率も確認しておきましょう。

自分たちにとって良い土地を選ぶためのコツ



「良い土地」の基準は人によって変わります。「狭くても立地がいい場所」、「ご近所さんがいい人ばかりで子供の友達が近くにたくさんいる町」、「不便だけど静かで広い土地」など、人それぞれに「良い土地」があります。自分たちにとって良い土地を見つけるためにはどうすればよいのか、気を付けたいポイントを3つ紹介します。

専門家の意見を参考にする



土地を探すことは自分でもできますが、不動産会社や建築をする工務店などの力を借りることがおすすめです。一般に公開されていない土地があったり、建てたい家を実現しやすい条件の土地を見つけてくれたりと、土地探しの大変な部分を解消してくれるからです。

土地と建物には法規的な制限があり、家を建てるために必要となる工事の内容も土地の条件や状態によって異なります。費用や期間の面を考慮し、できる限り「建てやすく暮らしやすい土地」を見つけることが、今後の家づくりをスムーズに進めるコツでもあります。

優先順位をつけて選ぶ



土地探しは家づくりのスタート地点です。土地がなければ、どのような形と大きさの家が入るのかも決まらないので何も進みません。この限られた時間と予算の中で行わなければならない土地探しを効率よく行うため、土地に求める条件に優先順位をつけましょう。

優先順位を高めに置いておくべき条件は、「子供の学区」「予算内」「通勤の所要時間」です。ここは今後の家づくりや、家族のライフスタイルに大きく影響を及ぼすため優先度を高めにしておきましょう。

次に、「広さ」「日当たり・方角」「近隣の雰囲気や治安」「土地の形」などでしょう。それ以外の条件は、自分たちのライフスタイルに応じて優先度を入れ替えていってください。そして、この優先順位はきちんと不動産会社や工務店に共有しましょう。

妥協できない条件は譲らない



優先順位を付けた希望条件の中でも、「これだけは譲れない」というものに関しては、譲歩しないほうがその後の生活への影響を最小限に抑えられます。ただし、いい土地に出会えるかはタイミングによる部分が大きいです。どうしても気に入る土地が出てこない場合は、家の建築が急ぎでなければ時期をずらすのも一手です。条件に近い物件が出たら連絡をもらえるよう、不動産会社や工務店とはやり取りを続けましょう。

妥協した土地に不便を感じると、後悔することは目に見えています。「妥協したせいで、子供が保育園の友達と違う小学校になってしまった」「妥協したせいで、通勤に片道1時間以上かかってしまい家事や趣味・勉強の時間が圧迫されている」「妥協したばかりに、徒歩圏にお店がなく休日の買い物が大変」などでしょうか。立地にかかわる例を挙げましたが、ほかにも懸念事項が浮かぶはずです。家を建てたことまで後悔しないよう、譲れない条件については譲歩しないのも一つの手段です。

カシワ建設では土地探しのお手伝いもいたします!



家づくりの中でも重要であり大変な土地探し、カシワ建設では全力でサポートしています。希望条件のすべてを叶える土地は、なかなか見つからないのが事実です。妥協できる部分を探しながら、理想の家を建てられる土地をご希望のエリアで見つけられるよう、手を尽くしています。土地を持っていないけど家を建てたい、土地を自力で探していたけど疲れてしまったという方は、一度ご相談してみてください。

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